昨夏から断捨離に取り組んでいる。
ミニマリストを目指している訳ではなく、必要なものと必要でないものを見極めて、部屋をスッキリさせたいという程度のものだが。
そんな中、今から30年以上前に学生だった自分がコツコツ買い集めた80年代のオーディオたちと向き合った。
大きく場所も取る上に、ここ20年は全く使っていない。
断捨離リスト筆頭である。
カセットデッキ、レコードプレーヤーはすでに正常動作しなかった為、粗大ゴミへ。
グラフィックイコライザーは、ヤフオクで意外にも高値がついた。
しかしスピーカーとプリメインアンプだけは、処分する気持ちになれない。
ダイアトーンDS503という大型スピーカーは、高校入学祝いに祖父に買ってもらったもの。
左の音が極端に篭ってしまっているが、そう言った理由でとりあえず保留。
プリメインアンプは、当時憧れていたサンスイAU-D907シリーズ。
新品では買うことができず、型落ちのワンオーナー品を中古購入した。
電源を入れるとブーンと異音がする。
ネットで情報を集めると、今でもサンスイのアンプは一部のファンから人気らしい。
しかしメーカーは既に無くなり、メーカーOBが営む修理工房に問い合わせたが、やはり旧製品のため修理は不可能という。
それでも他の修理工房を探すと、「修理代は最大10万円位まで言ってしまうかも知れない。それでも直す価値はあると思う。」と言ったお返事を頂いた。
正直、そこまでして…と思っていた時、ある技術者の方から2万円台で修理して頂けるとお返事を頂いた。
2万円台という費用と、評判も抜群に良かったため、お願いする事にした。
それから半月。
ついに対面。

外観もとても綺麗になっている。

なんでも私のAU-D907Fには、過去に修理歴があるらしく、部品が混在していたと言う。
部品はオリジナルに戻していただけたとの事。
また技術者さんが手がけたAU-D907Fの中でも、内部の変色も無く綺麗な部類だったとの事だった。
早速、右側しか正常にならないDS503に繋いでみると、30年前の感動が蘇って来た。
このサンスイサウンドに憧れ、コツコツお金を貯めていた学生時代の思いが蘇ってきた。
或る技術者の方のゴッドハンドによって、かつての宝物は蘇った。
蘇ったのはサンスイだけでなく、自身のオーディオ熱も。
寝室にブックシェルフ型スピーカーを買って、いつかわレコードなどを愉しみたい。
断捨離のつもりが、思わぬ贅沢になってしまった。